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Re: 噛み合わせと肩こり(不定愁訴)・・・について。

投稿者 長谷川千尋 日時 2000 年 4 月 26 日 09:13:09

回答先: 噛み合わせと肩こり(不定愁訴)・・・について。 投稿者 シゲ 日時 2000 年 4 月 15 日 19:49:29


噛み合わせは確かに様々な愁訴に関係していることは確かであり重要であるが、
噛み合わせの治療でうまくいかないこともあるので慎重に」
ということになります。
 歯科医としては、せっかく噛み合わせの重要性を認識している方がいるのに水を
差したくはない…と思います。
 が、噛み合わせの治療と称してがたがたにされた患者さんもあります。たまたま
以前うちに来ていてパノラマが残っていて、何年かぶりに見えてパノラマをとって
その差に愕然としました。テレビで紹介された方法を試したくて行ったらしいので
すが、歯が無惨に削られていてしかも全然愁訴は治っていなかったのです。
 自分の流儀に合わなくても他の先生の方法を批判的に患者さんに言うことは普段
しないのですが、「もうやめなさい」と言ってしまったくらいです。
 
 噛み合わせの治療はどちらかというと職人芸的な治療のように思います。何とか
テクニックだとかセラピーだとかいろいろ名付けて一応の理論は組み立てているも
のの、「説」や「論」であって法則「性」はあっても明確な法則はないし公理でも
ない…実績もない者が言うのはおこがましいですが、そんな気がします。

 噛み合わせを治したら劇的にあれもこれも良くなった…というのはその人にとっ
ては確かに事実ではあっても一般論ではないのです。○○でダイエットに成功!と
か、△△で癌が劇的に治癒とかいうのと同じで、すべての人が○○でダイエットに
成功はしないし、△△で癌は治らない…その人に合っていたので効果が出たわけで
す。
 ある方法を考え出した先生が、7〜8割は改善すると言っても、経験による勘が
かなり働いているのです。他の先生がまねしても7〜8割にはなりません。
 仮に一方で劇的に治っても他の人をがたがたにする可能性がある場合、殊に歯の
切削や抜歯を伴う場合、慎重に慎重を期さねばなりません。本を出したりテレビに
出たりしている先生でも一方で訴訟を抱えている方もあるのです。
 
 ただ、なぜか噛み合わせの治療を多く手がける歯科医は開業医に多く、大学の先
生にはあまりいないような気がします。大学というところはやはりきちんと数字で
データを取って表さなくてはいけないというある意味では頭が固い部分があり、一
般に流通しそうもない高価な機械でちょっとした知見を得た…という程度の発表や
闇雲にアメリカではこう言っている…というようなことくらいしか言わない先生が
多く、一部を除き正直役に立ちません。職人芸の先生の意見の方が私には参考にな
ります。

 噛み合わせを治す場合、噛み合わせを触らなくても噛み合わせが治る(!?)ことも
あります。習癖を治すことにより、直接手を加えなくても噛み合わせが変化するこ
とがあります。麻酔注射一本で噛み合わせが変わることもあります。頚椎を調整し
たら噛み合わせが変わることもあります。

 噛み合わせが確かに悪いのに、噛み合わせを治さず愁訴が取れることもあるので
す。この場合は多くは心因性の原因ないし関連がある場合です。噛み合わせが原因
だと思って治療するととんでもないことになるのは多くは心因性の関連がある場合
です。
  
 そうは言ってもやはり噛み合わせを治療して愁訴が取れることは事実です。上手
に選択すれば歯科治療の価値を高めてくれる分野に間違いはありません。心因性と
思われたものが実は噛み合わせが原因だった、ということもあるのです。ただ、技
術の取得はなかなか難しいと思います。ある1つの方法だけに頼るのは疑問ではな
いか?と思います。
 いくつもの抽斗をを持ち、その患者さんにあった方法を処方できること、口以外
の周辺の治療にも多少知識を持つこと、心因性にも配慮すること、また、自分が治
すとか、必要以上に治療を勧めないことも肝要と思います。
 1人の歯科医が担当するのははなはだ負担が大き過ぎるのではないか?と最近常
々思います。

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