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Re: 詰め物の材料は?

投稿者 長谷川千尋 日時 2003 年 3 月 23 日 02:35:52

回答先: 詰め物の材料は? 投稿者 その 日時 2003 年 3 月 17 日 10:55:29

質問は簡単なのですが…回答はちょっとしにくいですね…
 詰め物に関しての説明ですが、ある程度は歯科医が医学的判断でするものです。「説明がない」という質問ですが、どのあたりまで望まれているのか?で書き方も違ってきます。自費のものの選択のように、材料を選択するために説明がほしい…という意味でしたら、最初に戻りますが、ある程度は歯科医が決めるべき部分があると思います。奥歯で虫歯の範囲が狭かったらアマルガム、少し大きくなれば型を取って作る金属(インレー)…というように。
 保険の範囲、という希望の場合、金属の種類はほぼ決まってしまいます。
 また、詳しく言い過ぎても、患者さんのほうも分からなくて混乱するのではないか?とも思います。
 私の場合は、奥歯でも少し見える部分の場合、白くする希望があるかどうか、以前に金合金が入っている場合に、同じものを希望するか否か、前歯の材料で保険化自費のいいものか…などです。
 
 アマルガムは私は今は、良くない材料ではないか?と疑っているのですが、公式にはまだ安全な材料です。良くないとしてもアレルギーや合う合わないであって、中毒…と書かれるとちょっと違うと思います。
 よく効く薬でも強い副作用が分かると、使用中止になることもあります。
 アマルガムも今までは分からなかった為害作用が出てきつつありますので、今後は使わないほうがいいと思います。

 銀や金…ですが、歯科用金属はすべて合金です。
銀合金は乳歯に詰める金属や永久歯で冠を被せる前の土台に使用します。
 口腔内では表面が腐食しやすく、長期に使う材料としては不向きです。やや軟らかいので良く摩耗する乳歯や冠の中の土台が適当なのです。
 銀色をしていても、通常永久歯に詰めるものは金銀パラジウム合金というものです。他にニッケルクロムとコバルトクロムが保険適応ですが、硬いのでほとんど使われていないと思います。
 金銀パラジウム(金パラ)は、金が12%,銀が約50%、パラジウムが約20%、あとは銅や微量元素です。硬さ、適合精度が適度に良く安価なので保険適用になっています。
 摩耗性は天然歯牙よりやや摩耗しにくく、年数が経つと、詰め物の場合噛む面で天然歯質との境で段差が出来る可能性があります。
 18金や20金くらいの金合金にすると、天然歯と同程度の摩耗性になり、適合精度もより向上します。昔は見せるために前歯に金を入れましたが、良く噛む奥歯こそか金合金がもっとも適当といえます。白金を加えた白金加金も良い材料です。
 加えて金はイオン化傾向が低く溶けにくいのでアレルギーを起こしにくいと言われます(無いことはない)。
 質問に書いていない材料でとても重要なものが、光重合レジンです。
 プラスチック…と思ってもらえば良いのですが、見える部分で噛む力の余り掛からないところに詰める材料です。噛む部分でも範囲が狭い場合は使用できます。金属より軟らかいので大きく詰めるには不向きです。
 が、保険では小臼歯までレジンの冠も認められています。
 犬歯までは金銀パラジウムに硬質レジンを張った前装冠というものがあります。
 セラミックは保険適用がありません。
 言い換えれば陶器なので、そのままでは衝撃に弱い欠点があります。しかし、金属に七宝焼きのように焼き付けたもの(メタルボンド冠)や、接着剤でしっかり歯にくっつけたものは十分な強度を発揮します。
  今も、セラミックの冠というとメタルボンド冠を指すことが多いです。長年使用され安心して長持ちが期待できます。ただ、裏は金属なので歯本来の透明感がやや出しにくく、最近はまた、金属アレルギーを無くするためにオールセラミック冠というものも出てきました。金属を薄い箔のみにしてすべて隠れるようにしたものもあります。
 セラミックは焼いて作るのですが、最近は工業用のCADCAMを利用して削り出す方法で作るセラミック冠もあります。少し安価に出来ることが利点ですが、色調がやや劣ります。
 セラミックとレジンを混ぜたハイブリッド材料も出てきました。レジンとセラミックの中間の硬さです。
 セラミック単独の場合の欠点はブリッジを作りにくいことです。セラミックはしなる性質があまり無いため、浮いている部分は破損しやすくなります。今のところ1本欠損まではセラミックだけのブリッジが出来ます。それ以上になると金属を補強に使ったメタルボンドしかありません。メタルボンドの場合は長いブリッジも可能です。
 セラミックの欠点は他に、色調と強度確保のためにやや歯の切削量が多くなることです。金パラで詰めるように削ったあとで、セラミックの詰め物を希望されると、もともと大きめの虫歯の場合は差が出ませんが、小さい虫歯であった場合、金属より削り広げないといけない場合もあります。
  
 他にチタン合金があります。加工がしにくく、使用されることはとても少ないと思います。入れ歯の方が使われていると思います。が、生体親和性が高いので、アレルギー体質の多い現代人に向けに今後は使用は増えると思われます。

 たくさん書きましたが、これでもとても大ざっぱです。
 詰めます、と言われたときに、どんなものを詰めるのですか?などと聞くと多分答えてくれると思います。 
 

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