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投稿者 長谷川千尋 日時 2003 年 1 月 23 日 00:46:11

回答先: 強化型プラスチックについて 投稿者 みう 日時 2003 年 1 月 18 日 01:43:02

強化型プラスチックとは、何を持ってそう呼ばれているのか…という部分がちょっと分かりません。
 レジンの詰め物は2種類あります。
 ペーストを歯に詰めて光重合させるものと、印象を取り金属インレーのように外で製作してセメントで接着するものです。後者の方が硬く出来ます。
 「強化型」とは、これのことかな?と思いますが…
 ただし、硬ければ強いとは限らず、インレー形態のレジンの方が破損しやすい感じがします。冠形態も同様です。口の中で固まらせるものはやや柔らかく、破損はしにくいですが摩耗しやすいです。
 現状では、一定の面積以上の虫歯の場合は、奥歯は金属が適当です。奥歯で噛む面の虫歯でも僅かの範囲でしたらその場で詰めるレジンでも可能です。やや広がるとレジンのインレーの方が良くなりますが、レジンインレー(CRインレーと呼ぶ)を考慮するのは私は小臼歯までです。虫歯が小さければレジンインレーの方が良いかというとそうでもないのです。あまり細く削ると詰めたレジンが噛む力で破損してしまいます。レジンのインレーは面積が大きくてもだめ、小さすぎても駄目なのです。
 細く削る場合も金属が適している場合も多いです。

 レジン類似のものでコンポマーと呼ぶものもあります。レジンとセメントの中間のものです。レジンより柔らかいので「強化」型ではないでしょうから説明は省きます。

 レジンとセラミックの中間型もあります。ハイブリッドセラミックなどと言っています。セラミックスよりは弱いですが、比較的安価なこととレジンの良い性質も備えています。「強化型」と言えないことはないですが、これなら多分ハイブリッドと呼ぶと思うので、これではないだろう…と思います。

 当院でも、金属を使うことはきわめて普通のことです。

 金属って、そんなに恐れるような毒があるのでしょうか?

 口の中になくても、接触していればどこにあっても私たちは金属を身体に取り込むことはあります。口の中だから溶けていく…というものではありません。皮膚に塗り薬があるごとく、皮膚も吸収力があります。
 ピアス、イヤリング、指輪も出来ませんね。めがねもプラスチック製にしなければいけません。
  コインは手袋をして触りますか?鉄製のフライパンは良いかもしれませんが、アルミの鍋などは?スプーンやフォークは?缶詰の食品や缶入り清涼飲料水は大丈夫ですか?
 意外なところで革製品は多くはクロムでなめすそうです。金属アレルギーになりやすいクロムが革にも含まれています。
  根管充填剤やセメントにも亜鉛などが含まれています。

  亜鉛は味覚などに重要な役割をする必須栄養素でもあります。…そういうものはアレルギーを起こさないかというとそうでもなく、アレルギー反応が起きる場合があります。クロムも栄養素の一つです。
  金銀白金チタンはアレルギーを起こしにくいと言われていますが、金もアレルギーがあります。以外と銀の方が起きないという報告もあります。

  どういうときに害になるのかならないのか…なかなか難しい問題です。

  卵や蕎麦でアレルギーになる人がいます。では、卵や蕎麦は一般論で有害なものなのでしょうか?

  だから、金属は大丈夫…と言い切るつもりはありません。金属系の詰め物のうち、アマルガムについては一般論としても止めた方が良いと思われます。

  保険の金属は金銀パラジウムが主成分ですが、ほかにいろいろな微量の金属が含まれています。金属アレルギーは僅かの成分でも起きます。大学の金属アレルギー外来の先生によると、原因の金属を突き止めれば、それが含まれているものだけ除去すれば良い、ということです。

  もし、詰めたり被せたりが多い場合、レジンばかりだと摩耗して噛み合わせが低くなってきたりずれてくる可能性もあります。金属が有害でないとしても、審美的面から白くしたい場合、広い範囲や多数歯に及ぶのなら、セラミックを使うことも必要です。

 金属が誰にでも害があるのでないとしても、一部の人には害は確かにあるのですから、本当は合う合わないを検査してから使用はすべきです。しかし、それは通常では不可能です。また、ある時点で大丈夫でも体調の変化で合わなくなってくることもあります。…ということは、なるだけ使わない…という方向は間違ってはいません。
  ただ、現時点では、金属を使わないと、脆弱なものを入れることになったり、保険外のセラミックばかり勧めることにもなり、はなはだ困ります。

 安価で安心の材料が普及しない限り、今は金属の使用はやむを得ないと思います。


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