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Re: 虫歯と神経

投稿者 長谷川千尋 日時 2001 年 2 月 27 日 10:38:58

回答先: 虫歯と神経 投稿者 かず 日時 2001 年 2 月 21 日 02:26:07

遅くなってすみません。
 さて、よく書くことをまず書きます。歯科医の伝えたいことと、患者
さんの認識にずれが生じることがあるかもしれないので、これから書く
ことは、質問の言葉からのみ推測したことで、実態と異なる恐れもある
…ということを頭に入れて置いて欲しいと思います。
 
 まず、神経を残す方法と、抜く方法とどちらにしましょう?…という
質問ですが、これは、患者さんに聞く質問ではないように思います。歯
科医が専門家として判断すべき範囲であると私は思います。
 まあ、それはいいとして、今の虫歯の状況をもっと分かりやすく説明
したほうが良かったのではないか?と思います。

 おそらく、痛みはまだ出ていなくても結構深い虫歯であったろうと考
えます。「虫歯は浅いが神経は露出している」というのは変です。先生
の言い間違えか、かずさんの聞き間違えと思います。神経は歯の中心部
にあるのですから、神経が露出したということはそれだけ深い虫歯だっ
たということです。浅い虫歯に思えたが削っていくと、神経まで達して
いた…という表現なら分かりますが。

 虫歯の痛みは、何かの拍子に急に出てきます。でも、虫歯そのものは
ゆっくりゆっくり深くなるので、ある程度大きくても痛くない時期とい
うものはあります。でも、無症状の時期に発見され治療を始めた場合、
歯を削ること自体が歯の神経に大いに刺激になってしまうのです。削る
ことにより敏感になるのです。よって、今回のように神経が出るような
ことがなくても、一過性の痛みや凍みる感じは良く起きます。
 浅い虫歯の場合は、一過性に痛んでも詰めれば暫くして敏感な状態は
快復します。しかし、深い虫歯の場合は違います。深いので神経により
近く刺激しますら、虫歯を削る刺激に耐えられず敏感な状態が元に戻ら
ないこともあります。その場合は残念ながら神経を取ることになります。
 今回は神経が出てしまったわけです。すぐ取った方が普通は無難と考
えます。しかし、深い虫歯に対する対応はいくつかあります。僅かに出
た場合は、よく消毒し、刺激しないようにすぐ詰めるとか、薬剤を置い
て詰めるとか、レーザーで焼くなどして神経を取らずに済ませられる場
合があるとされています。残せる可能性があるのにすぐ神経を取るべき
でない…という意見です。もちろんそれはその通りなのです。しかし、
絶対残せるわけでもありません。外部からの刺激に対して耐えることが
出来る場合と出来ない場合があります。
 出来ない場合はやはり取らざるを得ないでしょう。
 取る場合というのは、やはり臨床的に患者さんの感覚で判断すること
になります。強い痛み、持続的痛みがあれば、それはもう正常に戻らな
いシグナルと思われますからその時点で取るという判断をします。少し
凍みる…と言う程度なら正常化すると大いに期待できますからそのまま
取らずにおきます。その中間くらいの場合は、一週間とか10日とかの
範囲を決めて、回復傾向なのかそうでないのかを考慮し、取るか取らな
いかを判定します。

 神経を取った歯とある歯では、長期的に見ればやはり取った歯のほう
が弱りやすいと思います。神経がないと痛みがなかなか出ないので、あ
るていど虫歯が広がっても気づきにくいとか、「神経」と呼んでいても
血管も入っていますから中から栄養を運んでいるわけです。それが無く
なるのですから脆くなることもあると言えます。
 しかしそれはかなり長い年月の間でのことです。一旦出来た歯は、神
経がなくても骨がしっかりしていれば十分耐えられる硬さです。手入れ
をしっかりし、定期的に見てもらえばそうそう早くだめにはなりません。
 実際に、神経を取っても、そこは治療したことで意識してよく磨き、
状況が良くても、別のところが神経があるのに歯周病で先に駄目になる
とか、予想通りには行かないことは多々あります。
 簡単に「悪くなりやすい」という表現をすると、患者さんはすぐ駄目
になるようなイメージを持ちます。表現がまずいです。

 神経を取ったら早く駄目になるから我慢しようとしても、気持ちとは
裏腹に激痛になってくるかもしれません。痛みが増したらそれは取るし
かありません。
 痛くなってからと同じでは?という意見については、待っていて痛く
なった場合は、さらに虫歯は広がっているでしょうから、削る量は余計
に増える恐れが大です。痛くないときに削って仮にすぐ神経を取ること
になっても、もともと削る量は少なく済む可能性もあります。
 面積も広くて深い場合と、面積は狭いが深い場合とでは、前者はその
歯全部を被せることになっても後者は一部被せるのみで済む…という場
合もあります。ただし、これは一般論ですから、その歯によっては、結
果も同じと言うことはあります。
 私たちは、毎日、歯を削ったり抜いたりしていますが、本来、歯を守
ることが仕事です。少しでも速く治療すれば削る量も少なく済み、それ
だけ歯を守ることになります。
 よって、痛くなってからの治療と、痛む前の治療は、同じではありま
せん。
 たまたま今回は痛んでいない歯が治療後痛くなってしまったので、また、説
明が不十分で疑問が生じたと思いますが、虫歯は自然治癒がありません
から、出来てしまったら治療しなければなりません。

    ∞長谷川千尋♂♂
   健康な歯で幸せも噛みしめて
    はせがわ歯科医院
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