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Re: RCFについて

投稿者 長谷川千尋 日時 2001 年 2 月 11 日 22:06:22

回答先: RCFについて 投稿者 sarasa 日時 2001 年 2 月 09 日 10:38:31

 根充の種類ですが、まず、方法としては側方加圧充填と垂直加圧充填、そして
軟化した充填材を用いるものがあります。一般的な方法は側方加圧で、マスター
ポイントの後でその周囲に細いアクセサリーポイントを詰めていきます。普段側
方加圧でも、根管が円柱に近い場合はマスターポイントと糊剤(粉・液を練るも
の)だけで済むこともあります。
 垂直加圧はマスターポイントを短く切ったものを根管の先奥に入れて加圧しま
す。軟化したものを充填する方法も垂直加圧というのかどうかは、今出先にいる
ので細かい分類は分かりませんが、側枝まで入るので優れているということです。
 ただ、術後の一過性の痛みが出やすいとか、行程がやや煩雑だとか、ランニン
グコストがかかるなど意見があり、今ひとつ広がっていない気がします。歯科医
により違う意見ということもあります。

 薬剤的には、糊剤のみと、糊剤とガッタパーチャポイントによるものとがあり
ます。糊剤のみは乳歯において水酸化カルシウム系(ビタペックス等)で行います。
永久歯でも、湾曲している根管とか、開通しない根管、その他いろいろな理由で
一時的に用いることもあります。
 ガッタパーチャとは、熱帯の杜仲(とちゅう)に酸化亜鉛などを混ぜたもので
す。因みに杜仲茶は温帯の杜仲です。
 糊剤は、元は酸化亜鉛ユージノールにいろいろ薬剤成分やフローを良くするも
のを混ぜたものです。ユージノールとはチョウジ油を精製したものです。ユージ
ノールの含まれていないものやアパタイト系のものなどいろいろあります。

 さて、根充材が根尖まで届いていない場合ですが、まず、本当に届いていない
時と、届いているがレントゲンでは届いていないように見える場合があります。
根尖孔は解剖学的根尖より少し上にある場合があります。平たくいえば、先っぽ
にないこともあるのです。よってレントゲン上では少し短くても実際には根管す
べてに薬剤がきちんと詰められている訳です。
 さらに根管が透いて見えていたりしますが、歯根膜組織が根管の中まで少し盛
り上がっていて根充材は実際はきちんと詰められていることもあります。
 
 以上は問題ない場合です。すき間が本当にある場合ですが、やはり後々に根尖
病巣をつくる可能性はあります。しかし根充の前に十分な清掃消毒をしているの
で必ず出来るわけではありません。その昔は今のような根充はせず、綿栓にFC
などを染みこませただけでセメントで埋めて冠を被せていました。そういう治療
でも何事もなく持っている歯もあります。

 また、根管は湾曲したり分岐したりして、きちんと拡大できない場合がありま
す。臨床症状がなくなればやむを得ずそのまま根充します。この場合も根尖まで
入っていません。しかも清掃も十分とはいえません。
 ただ、治療できないものは仕方ありません。実際には根尖まできちんと治療し
ている歯でもレントゲンで写らないほどの側枝がある場合があります。
 このあたりは今の歯科医学の限界です。
 臨床症状のない場合は何事もなく過ぎることを期待して被せます。残念ながら
臨床症状が消えない場合は根管治療ができない限り、前歯では外科的アプローチ
をしますが、臼歯では歯はしっかりしていても抜歯になることがあります。

 根尖まで詰まっていない歯をレントゲンで見つけた場合ですが、差し歯が脱落
して作り直すような場合以外、無症状で過ぎている歯をわざわざ触ることはせず
に置くことも少なくありません。僅かに根尖病巣らしきものがレントゲンで写っ
ていても、それが以前自分(歯科医)で根充したものならともかく、他の医院で
の治療したものの場合、もっと大きい病巣が治ってきて小さく見えていることも
あるわけです。また、ずっと何事もなく留まっていることもあります。
 
 臨床症状の無い歯を手をつけると、きちんと治療していてもその後痛みが出て
しまうことがあります。患者さんから見れば、何ともなかった歯を触られたら痛
くなった、これは歯科医の治療がまずいのではないか?と疑心暗鬼になります。
よってどうしても必要でない限り、僅かにレントゲンで写っているだけでは、手
をつけるか付けないかは状況をいろいろ考えての判断が要ります。

 きちんと詰めても歯根膜炎は発生する事はあります。側枝や根管に僅かに残っ
た菌が少しずつ増えていき一定量に達すると、急に痛みとして発現してくること
もあるでしょうし、菌などというものは非常に小さいものですから、毎日噛んで
いるとわずかに出来てきたすき間から浸透していくこともあるでしょう。肉眼的
に全く問題なくても細菌からすれば大きなすき間があいていることはあるはずで
す。
 どういう観点からの質問か分かりかねたのでいろいろ書きすぎたかも知れませ
んし、聞きたかった部分からはずれているかも知れません。毎日見ていて歯によ
り差があるのは、基本は基本として、実際にはいろいろ難しい判断があります。


 
   長谷川千尋♂♂
 健康な歯で幸せも噛みしめて
  はせがわ歯科医院
愛知県海部郡甚目寺町森下田室58-1
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