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Re: 永久歯歯冠破折の治療について教えてください。

投稿者 長谷川千尋 日時 2006 年 4 月 02 日 23:57:06

回答先: 永久歯歯冠破折の治療について教えてください。 投稿者 kyoroP 日時 2006 年 3 月 30 日 20:03:07


折れたしまった歯は、歯茎に残っている部分も強い衝撃を受けているわけです。
打撲を負った歯は破折しない場合でも、神経が死んでしまうことは非常によく見られます。歯の神経は血管とともにほぼ根の先からだけ入っています。周囲は硬い歯質に囲まれていて根の先からの血管だけが栄養源です。よって、打撲を負って根の先で内出血すると血行不良により容易に歯の中の神経は死んでしまうのです。
 どこか皮膚に打撲を負って内出血して青あざになっても、周囲からいくらでも血流が供給されるので元に戻りますが、硬い歯に囲まれた神経は2度ともとに戻りません。
 例外はあります。乳歯は根の先からの血流が旺盛なので一旦神経が死んで変色しても白さが戻ることが良くあります。
 歯の破折を伴わない打撲でも神経は死ぬことが多いわけです。破折しても神経が露出しない場合はほんの先が掛けた場合だけです。10歳のときは神経が完全に露出するような破折だったはずです。しかも、歯茎に残った根の部分が少ない状況だったのではないかと思います。
 とにかく露出してしまった神経は除去するしかありません。今でもです。「神経を戻す」ことは出来ません。
 残った歯も半脱臼していてそれを正しい位置に<戻す>…とか、折れた欠片を接着剤で歯にくっつけて形を<戻す>…という処置をしたのではないかと思います。
 2年後に抜歯になってしまった…とのことですが、親の放置…とかそう言うことではなくて、抜歯時に何とか歯を保存できるように治療したが結果としては持たなかった…と考えるしかないと思います。
 上の歯だけでなく下の歯も神経が死んでしまうほど広範囲の打撲だったようですから、処置のまずさの可能性よりも、強打してしまった事故そのものが歯を失う原因だったと思います。
 歯が打撲により脱臼または不完全脱臼すると、戻しても、だんだん歯の根が不正吸収を起こします。乳歯のように無くなってくるのです。上の歯はそう言うことも起きたのではないかと思います。
 
 10歳で折れて2年後抜歯…ということは、その後すぐブリッジか…と思いますが、
成長期のブリッジは好ましくありません。特に左右に渡るブリッジは良くないと思います。まだ成長期で骨が大きくなるので、固定してしまうのは好ましくありません。
 見た目がかわいそうでも本当は部分入れ歯の方が良いです。
 鉤を後方の歯に持って行けば、分かりにくくすることは出来ますが、少女に入れ歯を入れなさい…と言うのは精神的に困難かも知れません。
 …ということでやむなくブリッジを作ったかも知れませんね。

 脱落した歯を歯科医院へ行くまで保存する場合に、なるだけ乾燥を避ける…ということが予後に影響をします。…が、根まで歯が抜け落ちて再植する場合についてです。専用保存液・牛乳に入れる、軽く洗って口の中に入れている…などすると良いと言われます。
 欠け落ちた歯冠の場合は、余り関係ないと思います。根の方まで掛かるほど斜めに折れた場合は、歯根面があるので予後に影響したかも知れません。

 下の歯については、もっと早く神経の壊死に気付いて治療をすべきだった…と言えると思います。打撲から3ヶ月くらい経てば、神経が死んだかどうか分かると思います。下の歯はあまり打撲しないので、表向き外傷が無いと、上がひどかったので気を取られて気が付かなかったかも知れません。でも、打撲から年月が経っていたとしても、今よりもっと以前に変色に気付いた時点で根管治療していれば、大きな根尖病巣にはなっていなかったと思います。


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