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Re: 乳歯の根

投稿者 長谷川千尋 日時 2005 年 1 月 10 日 21:12:16

回答先: 乳歯の根 投稿者 いづみ 日時 2005 年 1 月 05 日 16:08:49

歯の根というタイトルがありますが、歯並びについて…と判断して書きます。

  子供の歯並びを良くするためにはどうしたらよいか?については、専門家の間でも意見が交錯して一般の方が迷うことがあります。
 私が参加するグループの意見として書きます。
 きちんと歯が並ぶかどうかは、顎の骨のうち歯槽骨部分(歯の生えているところ)の発達と歯の大きさが調和が取れていることが必要です。歯槽骨部分の発達には口輪筋や舌筋の発達の影響が大きいです。

 早く乳歯を抜いたとしても、歯槽骨の発達が悪い限り、永久歯はきちんと並ばず乱杭歯や八重歯になります。また、顎の後退や噛み合わせの位置のずれがある場合も上下それぞれはきれいに並んでいても出っ歯や受け口になることもあります。
 
 最も多い歯列不正である乱杭歯についてのみ言うと、乳歯を早く抜いて先に生える前歯のスペースは確保したとしても、後で生える犬歯や小臼歯のスペースにしわ寄せが行き、結局そこの歯並びが悪くなるのです。ときにたまたまうまくいくこともあるのかもしれませんが、乳歯の早期抜歯だけで永久歯全部の歯をきれいに並べるのは無理です。

 また、前歯を早く抜いた場合、犬歯以後の乳歯が6歳臼歯に押されてだんだん前方に移動して余計にスペースが目減りすることも良くあります。乱杭歯になる原因の一つに乳歯の奥歯の歯と歯の間の虫歯というのがあります。歯と歯の間の虫歯を放置すると虫歯がひどくなるばかりでなく奥から押されて永久歯の生えるのに必要な場所が減る…というのはどの歯科医も異論はないと思いますが、同じことが乳犬歯の接触する前歯が無くなっても起きるのです。

 ただし、[連続抜歯]と言い、乳歯を早期に抜いて比較的早く生える奥歯である永久歯(第一小臼歯を利用)も早期に抜いてしまい、矯正器具を使用せずに残りの歯をおおむねきれいに並ぶように促す…という方法はあります。矯正器具を使用しなくて並ぶという利点はあるものの、永久歯を犠牲にしますし、歯並びが不足するスペースが抜歯した歯の幅より少ない場合は、むしろスペースが余って隙間が出来てしまう可能性もあります。

 乳歯の根が長いまま抜くと永久歯の栄養が不足する…ということはありませんが、違う理由により、今のままできれいに並ぶという保証はありません。何か私の知らない方法で、うまく永久歯の歯並びをきれいにする方法があれば別ですが、今後どういう予定なのかしっかり確認してほしいと思います。永久歯は抜くのかどうか、あるいは何か歯列矯正の手段も必要なのか?など。

 6歳の今すぐ始める場合もあればもう1〜2年待つこともありますが、いずれにしても乳歯がまだ十分残っている時期から対処すると、中学生以降の矯正(正常永久歯を4本抜歯することが増える)と違い、永久歯を抜歯せずに(親知らずは抜歯するが)歯並びを整えることは可能です。使用する器具は最初は内側から見えない装置にするか、取り外しの装置で行います。

参考 :各務肇著『歯の矯正』(主婦の友社刊)
 

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