Re: 抜髄と3MIX


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投稿者 長谷川千尋 日時 2001 年 5 月 05 日 23:28:40

回答先: 抜髄と3MIX 投稿者 ミナ 日時 2001 年 4 月 29 日 13:17:42


 ミナさんの言われることも最もですし、それが正しかったという可能
性も今ここで考えるに当たっては、あるにはあります。でも、治療中に
3MIXを使うと良い状況だったかは分かりませんし、なかなか難しい
問題もあります。

 まず、削り初めてからその途中で神経を取るということを言われたこ
とについて説明します。
 レントゲンで完全に虫歯の広がりを確認できる訳ではありません。健
全歯質と虫歯の部分は明瞭な境界があるわけではありません。詰めるだ
けで済むだろうという診断で削っていったら、まだ、大丈夫だと思って
いたところでもいきなり神経が出てしまう…ということもあり得ます。
 神経の写りも明瞭でないこともあります。ただ、削っていくのは、虫
歯の部分ですから、削りすぎて神経を取ったのではなく、神経を取らざ
るを得ない状態が削っていった結果分かった、と思われます。

 願わくば、削る前に「残すつもりだが、虫歯が深いので削った結果神経
をとることもあり得る」…と先生の方が一言伝えておけば、患者さんがあ
とで悶々とすることも無かったのではないか?と思います。

 3MIXは数年前には歯科医師会雑誌にも載り、かなり認知はされてき
ました。ただ、どの歯科医も常用しているかというと、どの程度使われて
いるかは正直分かりません。
 3MIXについてどの程度の知識と理解か分からないので詳しく書きま
す。
 虫歯の取り残しは絶対無いように、あれば必ず再発するから徹底して除
去するように多くの歯科医は教育を受けてきました。3MIXはその原則
を根底からひっくり返るような考え方の方法なのです。その薬剤により、
虫歯の部分も菌がいなくなれば、柔らかくなった歯質がまた硬くなってく
る…というものです。よって、少し虫歯の部分を残して詰めると、残した
部分もまた健全化するので、深い虫歯で神経を取るような状態だったとし
ても、虫歯を少し残して神経を触らずに済めば当然神経を取らなくて良い
…ということに確かになります。

 しかし、最初からひどい痛みがあった場合は、3MIXで治る可能性は
あまり無いと思いますし、痛まなくても、その虫歯の広がり方によっては
無理に神経を残しても被せたり差し歯にしたりすることに差し支えるよう
な場合で、口全体を診てそれは不適当であるという状態の場合などは取る
ことになります。
また、3MIXで必ず成功するかどうか?ということが、私たち歯科医
側にもやや不安があるのです。前述のように虫歯を完全に除去するのが本
来であるのに、それを残すのですから。認知されてきたのは3〜4年ほど
ではないか?と思います。私は8〜9年ほど前から行っていますが、やは
り虫歯の部分はなるだけ除去し僅かに残った虫歯に効くように期待して3
MIXを使ってきました。が、文献のようにかなり残しても良好な結果が
得られる…ということに最近漸く自信を持てるようになってきました。
 とくに乳歯については神経を取ることがかなり減りました。

 一番心配していることは、3MIXによって処置しても痛みが出て、あ
とでやむなく神経を取る場合です。
 使わなかったらどのみち神経を取るような元々深い虫歯で、すぐ痛くな
るのなら事前に説明をしておけば、患者さんも諦めてくれるので問題はな
いと思います。しかし、治療が済んで暫くして忘れた頃に痛くなったとし
たら、治療が終了したのになぜ痛くなったのか?…と患者さんが不信に思
っても困る…そして再度自分のところに来られればいいのですが、他院を
受診して歯を削っていったら、その先生が「虫歯を残したまま詰めてある
よ。こんなのはいかん」…と3MIXによって処置されたが予後がたまた
ま悪かったのを歯科医のミスのように告げられたら困る…というようなこ
とをずっと用いている私も頭の隅に心配としてあります。

 ややこしいことを書きましたが、上記のような理由から言葉としては知
っていても積極的に使用している歯科医は必ずしも多くはない…と思いま
す。そして、だからといってそれが良くないと言うことでもありません。

 3MIXを使おうが使うまいが、依然として神経を除去せざるを得ない
虫歯には遭遇します。今までも書きましたが、神経と言っていますが神経
のみならず血管やその他の細胞もあります。神経を取ると歯の中からの栄
養は来なくなります。変色もします。長期的に見ればやや歯の質は弱くな
りやすいかも知れません。
 しかし、そうそうすぐだめになるものではありません。歯磨きや定期検
診を心がければ長く持たせることも可能です。
 歯の寿命が短くなる最も大きい理由は凍みる感覚が無くなることです。
初期の虫歯の凍みや痛みが無いので、気が付かないうちに虫歯が広がる…
ということが神経を取った虫歯ではちょくちょく見られます。なるだけこ
れを防ぐには、定期的に健診を受けることが肝要です。
 総じて言えば、神経を取ると歯の寿命はやや短くは成り得ます。しかし、
神経を残してそのまま壊死してどんどん細菌が歯の根の中や骨のところま
で進入する状況になってから治療を開始するのと、すぐ取ってしかるべき
薬を詰めておくのとでは、すぐ取って処置した方が明らかに歯にとっては
良いはずです。
 要は何と比べるかです。神経を取っても、いたずらに残してよけいに悪
くすることよりは、早めに取ったことにより歯を長く持たせる対応をして
いると言えます。

 変色については漂白も出来ます。


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