|
投稿者 長谷川千尋 日時 2006 年 7 月 23 日 15:59:25
回答先: 麻酔について 投稿者 ジョン・レノソ 日時 2006 年 7 月 22 日 18:31:06
質問は簡単ですが、細かく書くと膨大な量になります。 まず、本来の副作用と考えると、使用説明書から見てみると、 重大な副作用 ショック(医学的意味でのショック) 中毒…意識障害、振戦、痙攣 異常感覚、知覚・運動障害 悪性高熱 その他の副作用 中枢神経作用…眠気、不安、汞粉、霧視、眩暈、悪心嘔吐 過敏症…蕁麻疹など皮膚症状、浮腫など と、あります。副作用以外の偶発症も含めて書きます。 ショックは、最も重篤なものはアナフィラキシーショックで、急激なアレルギー反応です。徐脈、血圧低下、呼吸抑制まれに心停止…となるものです。アナフィラキシーショックは他の内服薬や食物でも起きます。局所麻酔で起きることはまずありません。もう20年以上歯科医をしていて知っている範囲の中で、体験したという歯科医に出会ったことがないくらいですから。 神経性ショック(デンタルショック)というものには、ごくたまに出会います。治療時の緊張不安から来るもので、薬剤そのものから来るのではなく、注射時の痛みや麻酔薬の広がっていく違和感から身体が反射を起こすもので、脈拍や血圧の上昇が見られます。脳貧血様症状も見られます。一過性の酸素不足なので、身体を水平にして時に酸素吸入をすれば程なく戻ります。 中毒は過量投与でないと起きえないので歯科医院では有り得ません。 ただ、中等度以上太さの動脈に注射針が入ると一過性に中毒に似た振戦が起きる可能性はあります。歯茎に打つときは起こりえませんが、親知らず抜歯の際に深い部分に麻酔したりする場合にはあるいは起きるかも知れません。本来の過量ではないので、安静、点滴、酸素吸入などで程なく落ち着きます。 知覚異常はごく稀に起こりえます。丸一日経っても麻酔か取れない、覚めてもまだぴりぴりしている…などといわれます。私も経験したことがあります。 自然治癒もしますが絶対とは言い切れないので、末梢神経治療薬を服用します。手術時に傷つけるのと違って麻酔だけなのでまず治癒します。 過換気症候群(過呼吸症候群)も麻酔時に出ることがあります。緊張から過呼吸になってしまうもので、麻酔でなくても起きます。神経性ショックに似ていますが、やたら苦しんでわめくので、過呼吸と分かります。本人は呼吸困難を訴えますが、吸い過ぎてそれ以上呼吸できなくなっているので、むしろ紙袋などで口を覆って二酸化炭素の覆い呼気を再吸入させるわけですが、興奮しているので抵抗されることもあり、時に鎮静薬を注射します。 キューンの貧血帯…というものもあります。麻酔した部分ではなく顔面に貧血帯が発生し、10分から数十分で戻りますが、その後内出血して紫斑が出来ます。むしろ紫斑が出来て気付いて患者さんがびっくりする…というパターンになります。腕に注射したときに青あざが出来るのと同じで自然に戻りますが、腕と違って歯茎に注射したのに顔に出ますから、我々が非難の目を向けられやすい偶発症です。内出血なので自然と治ります。 貧血帯が起きず、顎の下などに紫斑が出来ることもあります。 子供などでは、唇などがしびれるともてあそんで噛んでしまい、腫れ上がることもあります。大人でもあります。抗菌薬鎮痛薬の服用で治ります。 たまたま体調が悪かったりすると、注射したところから感染して口内炎になったりその場所が膿んで腫れる場合もあります。 麻酔薬には血管収縮薬や、防腐剤(パラベン)も入っていますが、血管収縮薬による反応もあります。血圧・脈拍上昇、頭痛、発汗、顔面紅潮または逆に蒼白…などの症状で中毒などに似ていますが、血圧・脈拍の上昇が続きます。酸素を与えたりしますが一過性で落ち着きます。 パラベンは多くの化粧品や歯磨剤にも入っていますが、稀にアレルギーを持つ人があります。上述のその他の副作用が出たときに、麻酔薬そのものなのか、パラベンなのか分かりませんが、パラベンの方が疑わしい可能性があります。 化粧品では、パラベン余り皮下に入っていかないとされていますが、局所麻酔の場合は注射しますから。 アスピリン喘息の人は本人は知っていると思いますが、パラベンでの誘発もあります。麻酔に入っているとは知らないと思いますので、注意がいります。どちらかというと問診で歯科医が注意する部分ですが。 最近はパラベンの入っていない局所麻酔薬も出ています。当院ではそれを採用しています。 これでも簡単に書いた方です。本来何かをする場合には、事前に情報を知らせるべきですが、麻酔の場合、どれも非常に稀で私が体験したものでも何年かに一度ですから、先に言うことはまずありません。過去に何か経験したことがある方には言うことはあります。 注意としてよく言うものは、途中に挙げたように、子供などに「唇を噛まないように…」と言うことくらいです。
|